日本には美しい四季があります。変化に富んだ野山や川や海や島は
日本固有の財産でさまざまな生きものたちを育んできました。
そして、わが故郷「滋賀県」は海こそないが「マザーレイク」と呼
ぶ日本一の太湖「びわ湖」が中央に広がっています。
また、湖北には古典文学や和歌に登場し、日本百名山の一つ「伊吹山」
があります。この湖と山は本州がくびれる中央にあり、太平洋と日本
海がもっとも接近する位置にあることから、両側の気流の影響を受け
特異な自然環境を造り出しています。
■伊吹山とびわ湖に魅せられ「自然観察」
私が薦める自然観察は「野生の自然」です。花も鳥も動物たちも、
人の都合にあわせて品種改良されたり、都合良く飼育されたものでは
なく、毎日を命がけで生きている生きものたちです。
そして、大切なことはこれらとの出逢いを「愛でる」だけでなく、
どのような環境で育まれているのか、昨年見た時と変わっていないか、
じっくり観察し、もし悪くなっていたり,見られなくなったりしたら、
どうしてだろうか、など考えるのが私が薦める「自然観察」です。
◎ただ、ここ二・三十年前から、自然環境は超スピードで劣化し、
多くの種類の植物や動物などの生きものたちが絶滅の危機に立た
されています。
私たちが今できることは何か、考えるのも自然観察です。
筒井杏正