日本を代表するプランクトン研究者から推薦の言葉


★石川俊之(北海道大学大学院学術研究員)
  この図解ハンドブックは非常によくできており、実際にプランクトンを観察するときには重宝しております。鮮明な顕微鏡写真が多くしかも手ごろな厚さの本書は、思わず手に取る一冊です。よろこんで推薦いたします。
「プランクトンを調査したくなる本」
 池や湖に生息する小さな生き物(プランクトン)を解説した、美しい顕微鏡写真とイラストによる図解です。プランクトンの採集方法や観察の仕方もわかりやすく解説されており、身近な池や湖のプランクトンを実際に調べることができます。動画の掲載された電子図鑑との連動も意欲的な一冊。

★巌 靖子 (琵琶湖・環境科学研究センター客員研究員/元関西外国語大学教授)  
 この本が作られる前に、滋賀の理科教材研究委員会から「琵琶湖のプランクトンの分類が、小中学生でもやさしく出来、学問的にもしっかりした図鑑を作りたい」とのお話がありました。何回かの会合に出席して、編集者の皆さんの出版に対する並々ならぬ情熱に圧倒され、執念ともいうべき熱心さに驚きました。この図鑑は、長年日 本一の琵琶湖のある滋賀県に奉職された研究者、教育者として、生命の基礎を担うプランクトンに興味を持ち、これから持ってほしい多くの子供達にやさしく、美しく、見やすい図鑑を贈りたいと願う愛念と、琵琶湖の、さらに、日本の、プランクトンへの篤い思いが合体し、涙ぐましい努力の末に生まれたものだと私は思っています。プランクトンの種の同定に役立つことは勿論、オールカラーの沢山の写真は、肉眼では見られない小さな生物たちの姿を写したすばらしいものです。子供たちばかりでなく、全国の大人の皆さんも是非一度ご覧ください。

★岩熊敏夫(北海道大学大学院教授)
 本書はオリジナルの図版と解説により、淡水プランクトンの集め方から調べ方までを紹介している。このように鮮明なプランクトンのカラー写真を掲載した出版物は、海外にも少なく、日本ではおそらく初めてである。小中学生向けの題名と装丁であるが、実は学名や参考文献も示されており、大学院生や実務者まで幅広く活用できる本格的なハンドブックである。プランクトンの生態や様々な淡水の生態系の理解にも大いに役立つであろう。

★岩堀恵祐(静岡県立大学教授/環境科学研究所・大学院兼務)
 この十年、小学生を対象に環境体験実習を行ってきた。「動く」「色が変わる」が子供たちの関心事であるため、顕微鏡観察は体験実習に必須の項目である。 専門書や図鑑は多数出版されているが、どれも『帯に短し襷に長し』で、子供たちに適した図鑑を探していた。そんな折、本書に出会った。カラー写真と平易な解説で、読んでも、また顕微鏡の横に置いても楽しい図鑑である。しかも、書かれている内容は結構、奥が深いので、指導される先生方にも参考になるはずである。顕微鏡観察の座右の書として本書を強く推薦したい。

★金子光美(立命館大学理工学部客員教授/環境技術学会会長)
 わたくしたちは桜を見てきれいだと思い、レッサーパンダが立ち上がればかわいいと騒ぎます。いずれも目に見えるからであります。しかし、地球には肉眼では見えない生物もいっぱいいます。このような小さな生物のおかげでわれわれは生きているのですが、むずかしいことはあとで考えるとして、まず水の中の生物を見てみましょう。この本にあるような小さな生物がいっぱい生きています。デザインがすばらしいです。そのままTシャツやスカーフの模様に取り入れたいような生物がいっぱいいます。この本は、わが国の淡水中に浮遊する生物(プランクトンという)の代表的なものを図や写真で示し、形やその特徴をわかりやすく説明しています。わたくしたちは生物の名前を知るとその生物への親しみが一層深まります。環境を大切にする事の第一歩はまず生物を見ることとその生物の名前を知ることです。まず水辺に行ってネットで水を濾しましょう。そして肉眼で、さらに顕微鏡を使って水中の生物を見ましょう。新しい世界が広がります。その世界を知るのにこの本はたいへん役立ちます。

★吉良龍夫(滋賀県顧問/元琵琶湖研究所所長)
 初めてプランクトンの実習を受けたころには、ハンディな図鑑はなく、文献上の精密な線画と顕微鏡下で見ている現物との対比は難しかった。今は類書も少なくないが、この本のように鮮明な顕微鏡写真をそろえたものはない。こんな手引書があれば、私のような門外漢もプランクトンに、はまりこんでいたかも、と思ったりする。

★河野哲郎(山梨大学大学院助教授)
 本書は、カラー写真とイラストで絵解きした子供や初心者のための本格的な淡水プランクトン図鑑である。しかも、専門的な知識はまったく不要で、形や色といったすぐにわかる特徴でプランクトンの名前が容易にわかるようになっている。さらにうれしいことに、専門用語やプランクトンのわかりやすい解説、プランクトンに関連した新知識の楽しいはなし、安価でありながら写真版でのきれいな製本、本書に連動したインターネットでの動画による観察方法の説明など、普通の図鑑にはみられない魅力と工夫にあふれている。

★小谷博哉(財団法人国際湖沼環境委員会専務理事)
 毎年夏休みになると、琵琶湖博物館の前にある私たちの事務所に、お母さんと一緒に何人かの小学生がやってきます。琵琶湖のプランクトンのことを夏休みの宿題としてまとめたいというのです。そんな時、やさしくて分かりやすい図鑑が無いものかと悩んでいました。この本はプランクトンを知りたい人には救世主となるでしょう。

★竺 文彦(龍谷大学理工学部教授)
 きれいなカラー写真と絵で淡水のプランクトンが調べられます。ペラペラめくって写真を見ていると、びわ湖などの水の中でプランクトンの世界が想像できて楽しくなります。

★須藤 隆一(埼玉県環境科学国際センター総長/中央環境審議会水環境部会長)
 湖、池、川にはたくさんの生きものが生活しています。魚や昆虫は肉眼ですぐに分かりますが、小さな生物は顕微鏡でないと観察できません。池の水一滴を検鏡してみて下さい。 色鮮やかなもの、元気に動き回っているもの、細かいきれいな模様があるものなど無数の生きものが見えます。しかし、どのような種類なのか、名前も分かりません。 本書「淡水プランクトン図鑑」をみれば誰にでも名前を調べることができます。名前が分かればその生きものの生態や環境にも興味が広がります。 図書館はもちろんのこと顕微鏡のそばにも本書を備えて下さい。

★高村典子(環境庁国立環境研究所総合研究官)
 「プランクトンはかせ」への羅針盤・・湖や池の水をすくってみよう。どんな色をしているかな。ミジンコが動いているのがみえるかな。このハンドブックを参考に、顕微鏡でプランクトンの世界を観察してみよう。さまざまな種類の生き物が水の中で生活しているのが実感できれば、あなたもプランクトンの「はかせ」になれます。

★田中正明(四日市大学環境情報学部教授)
 使いやすい図鑑は、写真と図が多いこと、似た種類の違いが判りやすくまとめてあることです。この図解ハンドブックは、その目的を十分に果たし得るものです。顕微鏡下の微小なプランクトンをのぞいてみませんか。

★月井雄二(法政大学自然科学センター教授)
 野外にいる動物や植物を紹介した本やテレビ番組はたくさんありますが、微生物をとりあげたものはあまりありません。しかし、身近な池やたんぼ、水たまりには、変った形や色をした微生物(淡水プランクトン)がたくさん棲んでいます。この本は、それらを丁寧にわかりやすく解説していますので、これを読めば「微生物の世界」の面 白さ・奥深さを知ることができます。

★土井田幸朗(滋賀医科大学名誉教授)
 生物の食物連鎖の一番の基礎となるプランクトン。アオコや淡水赤潮の原因にもなるプランクトン。一度顕微鏡の下で眺めて見てください。その形や色彩の多様さと美しさ、動きの面白さに思わず魅了されることと思います。今見ているプランクトンの名前は何だろう。そう思ったとき、この本を開いてみてください。最初は絵合わせから始めても結構です。本当にその名前で正しいかな? そこから、次の疑問や興味が湧いてくると思います。この本が生物の示す不思議な世界に関心をもつ出発点になればと期待しています。

★中西正巳(京都大学名誉教授)
多様な生物の生活する琵琶湖のプランクトンを30年近く調査されてきた先生方の豊富な実体験を基礎に、子供たちの学校教材としてていねいに編集された動・植物プランクトンのわかりやすい入門図解手引き書です。水環境変化の指標ともなるプランクトンの世界を観察したいと思っている子供たちに、ぜひおすすめしたい一冊です

★中野伸一(愛媛大学農学部助教授・物質循環生物学研)
 本書は、日本の淡水に出現する動植物プランクトンについて、鮮明な写真と丁寧なイラスト、さらには簡単な分類指標までを的確なコメントを添えて紹介したものである。プランクトンの入門書としては、かつてこれほどまでに多くの種類について説明したものは日本には無く、画期的な存在と言えよう。私が特に印象を受けたのは、原生生物についての内容の充実度の高さである。本書があれば国内外の湖沼で頻繁に出現するプランクトンの同定が簡便に行なうことができ、初心者に限らず自然湖沼のサンプルを扱う研究者の利用にも十分耐えうる内容となっている。プランクトンの存在が無ければ、水中生態系は全く機能しない。多くの小中学校、高校、大学で本書を利用してもらい、より多くの子供や学生がプランクトンに興味を持つこととなり、我々人間の自然への理解が進んで、人間と自然が共生できる知恵を獲得できるようになってくれることを強く望む。

★中本信忠(信州大学繊維学部教授)
 水質を良くするのも悪くするのも生物の働きです。水の中には顕微鏡でみないとわからない生物がたくさんいます。顕微鏡をのぞいて、どんな物か確かめることが、疑問の解決の出発点です。顕微鏡写真が豊富で、わかりやすい解説でプランクトンの世界に引き込まれます。プランクトンを見るのが楽しくなる本です。

★萩原篤志(長崎大学大学院教授)
 ミクロな生き物「プランクトン」は、多くが我々の身近な水中に住んでいるのに小さくて肉眼では分からない。そして、その生活は謎に満ちている。だが顕微鏡で覗けば、美しく精巧な、時にはユーモラスな姿や行動に惹かれるだろう。 そんなプランクトンの魅力を十分に伝えているのが本書である。 日本の淡水域の縮図とも言える琵琶湖はプランクトンのパラダイスでもある。これらを鮮明な写真と図に捉え、平易な説明を付した。小学生から大人までプランクトンの世界を楽しんでいただきたい。

★花里孝幸(信州大学山地水環境教育研究センター長(教授)
 本書は、写真を基本として補足的にスケッチ図を用いてプランクトンの分類のしかたを丁寧に説明している。いかにプランクトンの見分け方をわかりやすく伝えるか。著者たちがそれに心を砕きながら本書を作った様子がうかがわれる。小学生から大学生まで、多くの人に勧めたい図鑑である。

★牧野和夫(環境省環境調査研修所主任教官)
  ●推薦します。高価な図鑑を1冊図書館に置くよりも、このハンドブックを必要な部署に必要な数だけ置かれることをお薦めします。環境省環境調査研修所のテキストとして使う予定です。
 ●本書に対する講評環境をわかりやすく、現実のものとして理解する上で、プランクトンや底生動物は重要な指標となるものです。しかしながら、初めての人にはプランクトンは『難しい』と思われがちですが、このハンドブックは眺めているだけでプランクトンに興味を持ち、そのうち、親しみさえ感じられます。このハンドブックは子ども、初心者用とのことですが、プランクトンに係わる業務の担当者においても、非常にありがたい1冊だと思います。

★宮島利宏(東京大学海洋研究所)
 たくさんの美しく貴重な写真とさし絵、やさしく正確な説明によって、水の中の不思議な微小生物たちの見分け方とそのからだの成り立ち、生活の様子が誰にでも楽しく理解できる、行き届いた自然観察ハンドブックです。子どもや初心者から環境科学の専門家にまで幅広くお薦めできる奥の深い一冊です。執筆に携わられた先生方に心から敬意を表します。

★八木正一(元岡山大学教授)
 近くの池やタンボの水をこして、顕微鏡でのぞいてみてください。びっくりする世界が広がっています。その別世界への道の、またその世界での道案内役がこの本です。水をこす方法や顕微鏡の使い方も写真で、わかりやすく説明しています。理科の参考書として最適です。

★渡辺仁治(日本珪藻学会会長/元奈良女子大学理学部教授 )
 多種多様なプランクトンの分類は決して容易ではないが、なじみやすい図と写真を駆使して、難しい分類を、小中学生にも納得できるように説明した、数少ない解説書の一つである。また、この書になじめばなじむほどに、小さな生物からのメッセージが明確となり、すばらしい発見への道しるべとなることが期待できる書でもある。

★渡辺泰徳(立正大学地球環境科学部教授)
 この図鑑には水の生き物を調べたい生徒さんと先生方を淡水の世界に引き付ける”何か”があります。きっと、永年、愛情と興味を持ってプランクトンを調査してきた編者の経験で裏打ちされているからでしょう。絶対にお勧めです。

★渡邉 信(国立環境研究所生物圏環境研究領域長 )
 水の世界で、量や種類数が最も多いのがプランクトン。この本は小中学生や高校生の君たちをプランクトンの世界に上手に案内してくれる。プランクトンの仲間にはどんな生物がいるかを教えてくれるだけでなく、採集や観察の仕方、量を調べる方法、写真の取り方も教えてくれる。