伊吹山の自然と四方山話
伊吹山に侵入する外来植物のおはなし
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<その2> 山頂お花畑に侵入するヒメジョオン群
文・写真&挿絵:筒井杏正 |
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■ヒメジョオン(姫女苑)キク科・ムカシヨモギ属 | ||
ヒメジョオンは、北アメリカ原産で、江戸時代末期(1865年頃)に観賞用(ヤナギバヒメギク(柳葉姫菊)などの名で観賞された)として移入されたと伝わる。しかし、繁殖力が強いため雑草化し、今では全国どこでも分布するようになった。 そして、現在では、日本生態学会が日本の侵略的外来種ワースト100の一つに選定してい る。 |
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・キク科 ムカシヨモギ属の1ー2年草 植物の場合、1年草は、多年草(樹木の場合は、全て多年であるため、このような区別はない)より進化した植物。 ・1年草は、「放置すれば1年で消えてなくなる」という考えがある。しかし、子孫を残さないと言う意味ではない。 ・繁殖場所は、土壌の種類を選ばず、土壌環境に対する適応性が大きく、低地だけでなく自然性の高い地域、亜高山帯(1,300〜2,500m)でも侵入する。このため、在来植物との競合が問題になっている。 |
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・花は6〜10月ころまで咲いて、綿毛となったタネは、風や雨、動物によって運ばれる。 ・周囲に播かれたタネは、土中でシードバンクとして貯えられ、生育条件が合えばいつでも発芽する。 |
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・また、これらのタネはあらゆる環境との適応能力を高め発芽する。 ・タネの寿命は35年もあると報告されている。 ・また、根茎(栄養体)からの再生能力があり繁殖する。 |
※1株のタネは、
50,000個近くある。 |
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・伊吹山頂には、10数年前に侵入を始めたと思われ、2004年の夏頃から、山頂の西遊歩道のお花畑に群生が見られるようになった。 <分布状況> ・伊吹山DW〜山頂駐車場の沿道に満遍なく生育 ・2010年、山頂の東・西・中央・山頂の花畑の中5箇所ほどに大・中の群生が見られた。 しかし、それは、毎年、お花畑の中を転々と移動し、あちこちで群落を作る。また、山頂の東・西・中央歩道には、まんべんなく生育している。 ・滋賀県側からの林道と1合目の登山道に満遍なく生育 |
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・何の対策も立てられていない。 ※「伊吹山自然再生協議会」の方針(2010年)では、ヒメジョオンは1年または越年草のため、消滅すると村瀬会長の指導下、対応はされていない。 |
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・同科・同属のハルジオンと似るが、ヒメジョオンの茎の中は詰まっている。 ・ハルジオンも北アメリカ原産で、同じく観賞用として大正時代に渡来し、帰化したと伝わる。開花期は、4〜6月。 ・伊吹山への侵入は、登山道では5合目あたりまで繁殖。伊吹山ドライブウェイ側では、8合目駐車場までまばらに生育するが、山頂花畑への侵入は、2010年現在では見られない。 |
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・今後、懸念されるのは窒素分の多い場所を好むため、来山客のゴミ等、ペットの糞尿放置による土壌の汚染が心配される。なお、地球温暖化の影響も免れない。 |